競馬入門講座

◆なぜなに競馬教室◆

◇競馬によく出てくる言葉 (2)

Q.騎手が「手前を替えて」とか「右手前だけで走っていて…」などと言っているのを聞きますが、これはどういう意味ですか。
A.馬が歩いたり走ったりする時の4肢の着地順序の違いから動き(歩法)を通常4種に区別します。自ずと4種の歩法は速度も異なります。それらは、最も遅い常歩(なみあし)、次に速歩(はやあし)、そして、駈歩(かけあし)、競馬や追い切りの疾走中に見られる襲歩(しゅうほ)です。常歩と速歩は2分1周期で左右肢が対称性に着地しますが、駈歩と襲歩は、4肢が右後肢→左後肢→右前肢→左前肢(1)もしくは左後肢→右後肢→左前肢→右前肢(2)の順に地面に着くため、非対称性の歩法となります。その結果、最後に着く肢をもって(1)の場合「左手前」と呼び、(2)の場合「右手前」と呼びます。競走馬は競馬でスタートしてからゴールに入るまで直線・コーナーと手前を変えながら(手前変換:右手前から左手前にもしくは左手前から右手前に変える)走りますが、通常、コーナーでは遠心力に対抗して走り易いように、廻りに応じた手前で走り、コーナーを出ると反対の手前に変換します。また、コーナーに入る時、廻りとは逆の手前であれば、手前を変換するものです。このように手前を変えるのは、同じ手前でずっと走っていると疲れてしまうのも理由の一つです。
特に、騎手が「手前を変えて」と言う場合、‘ゴール前の仕掛け場所で騎乗馬の得意な手前に変えさせた場合'や‘騎乗馬が指示に従わず勝手に変えてしまった場合'等が考えられます。一方、「右手前だけで走っていて」と言う場合、‘変えるべきところで変えなかった場合'や‘騎手の指示に従わず同じ手前で走ってしまった場合'と考えられます。

Q.兄弟、姉妹のほかに「近親」という言葉がありますがこれはどういったものですか。
A.「近親」とは、ある馬について、特定の範囲内の親戚関係を示し、全兄弟(姉妹)、半兄弟(姉妹)なども含まれることになります。専門紙などでは近親の活躍馬をあげて、その馬が同族関係にあることを示し、血統的な指標の参考としています。競走馬の場合、近親は母系を中心に、おおむね4〜5代以内の範囲をさすことが多いようです。

Q.「上がり3F(サンハ)」とか「上がり4F」とは何のことですか。
A.レースや調教の終盤のことを「上がり」とか「しまい」と呼び、通常、ゴールラインから逆算した一定の距離とともに使われることが普通です。「F」とはハロンの略号で、約200mの距離を示し、競馬場には、芝コースに赤・白の、ダートコースには水色・白の縞模様のハロン棒がゴール前からさかのぼってそれぞれに建てられています。「上がり3F」といえば、ゴールまで約600mを指しますが、このタイムは馬の決め脚(瞬発力)や調教の強さ(仕上がり具合)を示し、馬の能力を測る重要なデータとなります。

Q.種馬に関し、よく「シンジケート」という言葉を聞きますが。
A.「シンジケート」とは競馬サークル内では種牡馬の所有と利用の共同組織というふうに解されています。一般的には、生産者が出資しあって(40〜50口)、高資質な種牡馬を購入し、出資口(株)に応じてその種付(権利)を確保するものですが、種牡馬の評価、需給関係などから、その権利や「余勢」株と言われる口数以上の種付権利が売買されることがあります。
日本では戦後こうしたシンジケートが形成されるようになりましたが、近年では外国産馬のみならず、国内産馬も 組まれることが多くなっています。


競馬予想・競馬結果 JRA-VAN トップ

Copyright (C)2007
Turf Media System Co.,Ltd.